理事長挨拶

理事長あいさつ(理事長 鈴木 雅実)

一般社団法人日本毒性病理学会 理事長 鈴木雅実
一般社団法人日本毒性病理学会
理事長 鈴木雅実

日本毒性病理学会会員各位

 我々の周りには豊かな生活を支える医薬品、食品添加物、農薬、産業化学物質など様々な化学物質があり、これらは我々にとって欠くことのできない有益なものです。一方でその使用量が過剰となるなど不適切な使用によりヒトへの有害性を示すものがあり、安全な使用方法を確認・担保した上での利用が認められています。我々毒性病理学者は、ヒトへの安全性・有害性を評価する際に重要な役割を果たしています。本学会には、医薬品、農薬の研究開発、行政の評価機関での専門家や評価委員として国の行政レベルで活躍している会員が多くいます。本学会員は種々の化学物質などに対して人々の安全・安心を提供することで社会貢献をはたしています。

 本学会は1985年に設立された「日本毒性病理研究会」を母体とし、1988年に「日本毒性病理学会 Japanese Society of Toxicologic Pathology (JSTP)」として設立されました。現在、本学会の会員数は1000名を超え、医学、獣医学、薬学など、さまざまなバックグラウンドを持つ毒性病理学の専門家が集っています。また、アジアを中心に海外会員も増加しています。会員の現在の所属については、大学の各学部(医・獣医・薬学など)、医薬品や農薬などの企業、CRO、行政の評価機関などとなっています。幅広い分野の会員から構成されていることは本学会の大きな特徴といえます。

 本学会の委員会構成は総務委員会(活動全般の取り纏め)、会員委員会(会員資格全般にわたる緒事項を管掌)、国際委員会(毒性病理学分野の国際的活動に対応)、資格認定委員会(毒性病理学専門家認定試験を運営し、更新時の資格審査)、教育委員会(会員の教育、レベルの向上を目指し各種セミナー、スライドカンファランスを企画・運営)、編集委員会(機関誌Journal of Toxicologic Pathology (JTP)の編集)、広報委員会(学会ホームページおよび学会ニュースの管理)や教科書策定委員会(毒性病理関連専門書の出版や改訂)からなり、それぞれ活発に活動しています。

 医薬品分野では各国での許認可の敏速・効率化を目指し電子申請の義務化が進められています。これに直接関連する事業として、米欧の毒性病理学会と連携し安全性を評価する前臨床研究での毒性病理学的用語の国際的統一プロジェクト(INHAND)を推進しています。INHAND活動を含め、会員の日々の研究活動の学術的な基盤強化に向け、様なざま視点から教科書の企画・出版(日本語をベースに、内容によっては英語の教科書)も進めています。

 今後も、日本、アジアならびに世界の人々の健康への貢献をめざし活動していきますので、ご理解とご支援をお願いいたします。

一般社団法人日本毒性病理学会委員会について

常置:臨時:
  • 総務委員会
  • 会員委員会
  • 国際委員会
  • 資格認定委員会
  • 教育委員会
  • 編集委員会
  • 広報委員会
  • 教科書策定委員会

本学会に集う産・官・学の研究者は、わが国における生物科学の進展そして新しい医薬品、農薬や食品添加物などの開発に貢献するため、基礎から応用まで幅広い分野での病理形態学的研究に携わっております。また、これらの化学物質や環境化学物質のヒトへの健康影響を評価するリスクアセスメントにも関与しております。さらに、本学会は、国内での活動にとどまらず、毒性病理学の発展と情報の共有を目的に International Federation of Societies of Toxicologic Pathology (IFSTP) に参画し、国際的にも活躍しています。

近年、医薬品、食品中に含まれる化学物質などに対する「安全・安心」に対する関心が社会的に高まってきておりますことから、私共は、毒性病理学が学術的な面からのみならず、社会的に重要な分野であることが認知されるよう努力していきたいと考えております。会員の皆様の学会活動への積極的なご参加をお願いすると共に、本学会のさらなる発展に寄与できるよう務めていきたいと思いますので、皆様のご理解、ご声援をよろしくお願い致します。